ほぼ週刊 我が家映画祭

ほぼ週刊で映画祭を開催中。その日の『我が家映画祭』で選ばれた映画を鑑賞し、ウォッチメンとして報告します。

ぼくはトニースタークが嫌いだった

エンドゲーム作文

テーマ   MCUとぼく

第一回「ぼくはトニースタークが嫌いだった」

 


2019年4月末

アベンジャーズエンドゲームをみて感涙をした。映画館を出ても尚、思い出しては泣いた。これほどまでに感情を動かされたのは、

MCUそのものが自分の人生の一部になっていたし、

トニーも、キャップも、ナターシャも、他の人物も、

全員が自分の家族のような存在になっていたからだ。

 

 

 


ぼくが「MCU」とであったのは2008年、「アイアンマン」をDVDで観たのが初めだった。

そのときの感想はあまり覚えていない。ただ、ロバートダウニーJrの並々ならぬ気迫とオーラに圧倒され、興奮したと思う。

「アイアンマン」は、ぼくがそれまで観たことのあるヒーロー映画の「サムライミ版スパイダーマン」のような、陰鬱として非リア充が悲劇を経験してリア充になっていく話でもなかったし、スタークと同じようにお金持ちの「バットマン」のように悲劇を経験して、陰の自警団(陽キャを演じたスーパー陰キャ)になり、引き裂かれながら生きていく話でもなかった。

 


それが新鮮だったのだ。何よりも、スタークが巻き込まれた悲劇は自らがまいた種である。

「世界平和に貢献する」だとか「社会貢献のために」などといった安直な言葉で正当化していた行動を、最悪の痛い目を自らが経験することで反省することになるのだ。

 

 


それであるから、端的にいうと初見の「アイアンマン」はまあまあ面白かった。

 

 


そして、アイアンマンを経験したぼくはMCUから5年離れることになる。なんだかアベンジャーズって胡散臭いクソ映画の匂いがするなと思っていたからだ。

 

巷ではアイアンマン3が上映しており、アベンジャーズ旋風が日本まで届き始めていた。

そこでさすがにぼくも映画好きとしては観なければ駄目だな・・と思い、アイアンマン2を見た。アイアンマン2の内容は革新的でも何でもなく、陳腐に感じたし、スタークはなぜか有頂天に見えたし、ストーリーも普通で、、、まったく魅力を感じなかった。

 


そこで、もっとも重要な「ファースト・アベンジャー」を観ることなく、ぼくのMCUへのゲートはアイアンマン2によって再び閉ざされてしまう。

 

 

それから2年後・・・

 


映画館では「シビルウォー」が上映しており、なにやら評判がよかった。

新しいスパイダーマンもでているらしいが、自分はアイアンマン1・2しかみていない。アベンジャーズ1も見ていない状況だった。

そのとき観ている映画といえば、戦争映画ばかり。なぜか戦争映画ブームがぼくのなかで暴風雨となって洪水状態になっていた。具体的に言えば、毎日戦争映画だけみていたのだ。

そんな中でヒーロー映画など見る気にはなれない。そう思っていた。

そんなぼくは「キャプテンアメリカ ファーストアベンジャー」の時代背景がWW2であることを尻、間違えた。知り、仰天する。

そんなの観ないわけにはいかない。どんな物語がまっているのか。

 


期待を高めてゲオでレンタルをした。(キャプテンアメリカ2ウィンターソルジャーも同時に)

 


ぼくはぶちのめされた。キャップにぼこぼこにぶちのめされた。

ファーストアベンジャーは「アベンジャーズ」に繋がっていたのだ。

 


そして、なんて物語性が深いのだろう。そしてなんてピュアな恋愛映画なのだろう。

キャプテンアメリカは完全に戦争という背景を模した少女マンガでもあり、どんなヒーロー映画よりも純真無垢でピュアな「自由」と「忠義」をもった主人公の作品であったのだ。

 


沼に落ちる音がした。

 

 


キャプテンアメリカ2ウィンターソルジャーもまた、恋愛映画だった。

記憶をなくし、闇に落ちた親友バッキーを、絶対に助けたいと想うキャプテンアメリカの友情と愛を描いた至上のメロドラマなのだ。しかもそこにはいかがわしい欲望は介在しない。

最愛の女性との人生をうしなったキャップにとって、唯一の自己証明となる存在・自分をさらけ出せる場所がバッキーなのだ。敵となってしまったバッキーをなんとか助けようともがき苦しむアメリカのケツが目に焼きついたのだった。

 

 

 

アメリカのケツから目が離せなくなったぼくは、

アベンジャーズ

・マイティーソー

・マイティーソーダークワールド

アイアンマン3

アベンジャーズエイジオブウルトロン

 

を一気に見た。一気に感想を書こう。

 

アベンジャーズ

正直映画としてそこまで好きではない。スタークがキャップに嫌味を言いまくってて、さらにスタークが嫌いになった映画。

しかしクライマックスのアクションは見ごたえ抜群である。

街全体に押し寄せる敵と真っ向からぶつかるアベンジャーズ

やんちゃなロキ。

 


まあまあ楽しく観れました。

ただ最近見返しても感想は変わらないけど、みんな反抗期に見える。まだ棘がたくさん残ってて思春期の中二病みたいな状態。「俺はアスガルドのソー。オーディンの息子」みたいなのをガチで言ってる状態。

 


第1作目のアベンジャーズに副題をつけるなら

 


アベンジャーズ「反抗期の中学二年生」

 

 

 

・マイティーソー

「レオン」以来、ナタリーポートマンが好きなので彼女が画面に映るだけで幸せだった。

この頃のソーは、例に漏れず「俺はアスガルドのソー。オーディンの息子」状態。

 


なかなか中二病設定についていくのが難しく感じたりもした。

 

 

 

 

 

 

・マイティーソーダークワールド

んー、映画としてはあまり好きではないかな。

 

 

 

アベンジャーズエイジオブウルトロン

悪くはないけどそんなに好きではない。

 

 

 

アイアンマン3

さぁ、きたよ。アイアンマン。忌み嫌うトニースタークさんのお出ましだ。

どんな映画なのか観てやろうじゃないか。という気持ちで見た。

 


そこに映し出されてるのは、アベンジャーズで、未知の敵と戦い苦戦し、未来に訪れるであろう脅威に恐怖し、不眠症になったおじさん。その名もメンタル弱まりトニースタークだった。

 

 

 

おいおい、なんだこれは。不眠症になって、未来の脅威に恐れて、ひたすらアイアンマンを改良して量産している。

 


ほとんど病気だよ。

トニースタークは、あの「自信過剰な振る舞い」という外見で、本当は優しくて脆くて、誰よりも「失うことへの恐怖心」が強い男だったんだ。

 


アイアンマン3はぼくにとって、「ファイトクラブ」だった。

 


弱くて、ダメな男の話

その狂気と優しさ

 


全てを内包している。特にボロボロになったトニーが少年と出会い交流を深める場面。あれば映画史に残るよ。

 


ほんとうによかった。

 

 

 

ぼくは悔い改めてトニースタークが好きになり、完全に舐めきっていたMCUにここで土下座をしたのであった。

 

 

 

 


そして、推しと推しが喧嘩する「シビルウォー」へ続く………

 

「ショーシャンクの空に」を観た

 

 

先日、

久々に見返した「ショーシャンクの空に

私にとってのオールタイムベスト

 

数回見ているのでストーリーはほぼ覚えていましたが、

この作品のどこにそこまで魅了されていたのかは忘れていました。

 

(なんで、こんなに点数高くしたんだっけな・・・?観た当時の自分が、定番の感動モノに騙されたんじゃあ?)って自分のFilmarkのスコアを観て思ってました。

 

 

「なんとなく感動して泣いた記憶」だけが残っていたのですが、

改めて見返して思い出しました。

 

ショーシャンクは「1人の男の数十年にもわたる人生の物語」で、

そして「私自身の物語」なんだってことを。

 

そして、この映画を見ると、心が軽くなります。

だから人生の一本なんだ。

 

 

以下、ネタバレあり

 

 

ショーシャンクの空に」の主人公は私。

そしてあなたでもあります。

 

理不尽な理由で、選択権もなく、人生で突然牢屋に入れられることを余儀なくされる。

これなんて、人生突然に社会に放り込まれて、生きるために人生の半分以上を使って働く事を余儀なくされることとほぼ同義なんですよ。

 

皆が、みんな、自分の牢屋の中に入る。

 

どうにかして心の牢屋、社会の牢屋から出ようと試みる。

でも、方法・策でどうあがいても、なかなか牢屋からでることはできない。

 

お金がいくらあっても、生活が豊かになっても満たされない。

ものがいくらあっても、楽しいイベントがあっても、一過性のもので一時的に楽しい気持ちになるだけ。一瞬「天にも上る気持ちになる」だけです。

実生活に戻って、淋しくむなしい気持ちに戻ることになる。

 

いくら働いても、何かのローンを背負い、一生働くことになる。

 

 

じゃあどうすれば、牢屋からでられるのか。

 

 

この作品の主人公「アンディ」が私達にそれを教えてくれるのがこの作品です。

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物理的にアンディが脱獄するのは、表紙になってるこのシーンで、実に感動的なシーン

 

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ですが、本質的にアンディが牢屋から脱出したのは別のシーンだと私は思っています。

 

それは、アンディが、なんどもなんども挑戦をして、ついに刑務所内の図書館運営に予算を確保し、その中のレコード1枚を刑務所内全域に伝わるスピーカーで再生するシーン。

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所長と刑務官が止めに行っても、ドアを施錠し、にんまり。ボリュームをあげます。

最終的にドアを破壊して、アンディは取り押さえられ、それまでの信頼も失いながら、懲罰房に入れられます。

 

でも、このシーンこそが、アンディが本質的に「脱獄」したシーンだと思うんです。

 

「それが音楽の美しさだ!誰も忘れさせることなんか出来ない。」

 

「音楽は決して人から奪うことはできない」

 

アンディは、お金でも権力でも買えない「心の財(心の豊かさ)」を、「音楽」を通して、牢屋にいる全員に伝えようとした。

人生、長く生きていれば、お金やモノなんて簡単に失う。津波がくるかもしれない。地震も火事もある。

突然、無罪なのに無期懲役で刑務所にいれられることだってある。

人災か、運命のいたずらによって、人は簡単に何かを奪われ、失うことがある。

 

 

 

それでも、誰にも奪うことができないもの。それが「心の財」。

希望をもって、「今」を楽しもうと思う気持ち。そのために人生を選択する、選択権を自分が持っていることを自覚することの大切さ。

 

それがこのシーンで「音楽」という媒体を通して全面的に伝わってくるんです。

牢屋にいても、どこにいても、何も持っていなくても、人は頭の中で音楽を奏でる事ができる。それだけは誰にも奪えない。

絶望の中にいるアンディがそれを体現してくれたんです。

 

 

終身刑で30年以上刑務所にいるレッドが「決して希望なんて持つな。」とアンディに言います。

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レッドもまた、私たちと同じ。何度も何度も、牢屋からでようと試みて、希望を持ち、生きてきた。でも、方法・策ではどうあがいても無理だった。

希望のせいで、絶望した男なんです。

 

そんなレッドが、アンディを心配する。(このままではアンディが絶望し、死んでしまうのではないか。) 

 

アンディは答える。

 

「覚えてるね。希望はいいものだよ、たぶん最高のものだ。いいものは決して滅びない。」

 

 

 「単純な選択だ。必死に生きるか、必死に死ぬかだ」

 

この時点で、アンディが牢屋に入って20年。

尋常じゃない時間です。

 

しかし、このときアンディの心はすでに脱獄していた。

 

 

 

必死に生きる為の選択をアンディはしたんです。

それが、物理的な脱獄にもつながった。

 

「逃げる」ことを全力で、死にもの狂いでやり遂げたんです。

 

「逃げる」って簡単じゃない。めちゃくちゃに労力がいる。

それでも「生存する」以上に、「生きる」ために逃げる。それをこの映画では全世界に見せてくれた。

 

 

それは私達の人生にもつながります。

生きるために、いかにして選択するか。

 

車輪の下に組み込まれて、ベルトコンベアの一輪として回り続けるなかで、

どうやって自分の心を見つけるか。ポジティブな意味で逃げる戦いをするか。

 

どんな仕事も、社会を形成している尊いものだと思います。

大切なのは自分の心。

 

「今、ここ」で、心の音楽を鳴らすこと。

 

 

 

 

 

本当に凄い意味のある作品だと思います。社会を変えたんじゃないかなあ。

ネタバレのオンパレードでしたが、みなさんも是非、自分に重ねまくって、この作品を見返してみてくださいね。

 

 

 

以上、映画の感想でした。

 

 

 

 

 

実は切ないシュガー・ラッシュ:オンライン プリンセスたちは何者?

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レディース&ジェントルメン&ヲタク

 

 

 

突然ですが、あなたの好きなディズニーキャラクターは誰ですか?

 

僕はチップが好き。

あと、ラプンツェル(CV:中川翔子

 

というか中川翔子さんが好きです。

 

 

ディズニー作品ってどれも本当にキャラクターが魅力的です。

しかも、何年たっても色あせない。

映画もキャラクターも

 

なんででしょうね。

 

 

 

キャラクターデザインが魅力的だから?

ディズニーランドがあるから?夢の国でキャラクターが生きているから?

グッズが常に新しいものに更新されているから?

 

 全部かな?

 

 

今夜の我が家の映画祭は、この100年間、世界中の人々から愛されてやまないディズニーキャラクターが一堂に会した歴史的アニメーション

シュガー・ラッシュ:オンライン」

の感想と、考察をまとめます。

俺の頭の中のシュガーラッシュオンラインを書きます。

 

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結論から申し上げますと、この映画

 

最高です。

泣けます。笑えます。映像もかっこよすぎる。全カット素晴らしい。

 

インターネットの世界をこんなに納得のいく楽しい世界観で表現できた作品を他に知らない。広告の表現、BUZZTUBE、ユーザーの可視化、ヴァーチャルとリアルの混合、オンラインゲームキャラの不自然な動きそのまんまアニメ化、TEDイジリ

 

素晴らしいとしかいいようがないじゃないか。

絵文字の国のジーンってなんだったんだ。

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『絵文字の国のジーン』(えもじのくにのジーン、The Emoji Movie)は、2017年のアメリカ合衆国の3Dコンピュータアニメーション映画。監督はトニー・レオンディス(英語版)、声の出演はT・J・ミラーとジェームズ・コーデンなど。Emoji(絵文字)を主人公とした冒険映画である。

 

第38回ゴールデンラズベリー賞において、最低作品賞・最低監督賞・最低脚本賞・最低スクリーンコンボ賞の4部門を受賞した

 

 

 

 

 

 

 

 僕はシュガラ2、とても好きですが、2点わからないことがあって、ずっと悩んでいました。観てから2週間悶々としてました。寝る前とか

 

それは

 

「何故、この映画は心が苦しくなるほど切ないのか」

(なんでこんな身につまされるの?)というやつです。

 

 

「この映画にでているプリンセスたちは何者か」

 

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出典 https://gigazine.net/news/20180921-ralph-breaks-the-internet-trailer/

 

 

 

ということ。それぞれの作品のプリンセスたちは、それぞれ作品の中で生きている。異世界のことも、インターネットのことも、「スタジオが違う」とかも知らない、関係のない世界で生きている。

 

じゃあこの、たしかにプリンセスである彼女たちの存在はなにか?

自分たちの存在をコンテンツとして扱うのだから、「コンテンツとしての」彼女たち?デッドプールなのか?彼女たちが本物で、ディズニー作品は彼女たちが役を演じている?(ラルフは、ゲーム内で悪役を"演じている"。)

 

いやいや、プリンセスに限ってそれだけはないだろう。

 

ディズニーストアなんかに並んでるグッズとしてのプリンセス?ディズニープロダクションのタレント?

Oh my Disneyというあのサイト上での彼女たち?

 

 

※混乱しています。

 

 

 

 

でも映画を見てから2週間、考え続けた結果、納得のいく答えが見つかりました。

 

だから遅れちゃったけど、記事にして残しちゃいます。

 

 

 

 目次

  1. 心が苦しくなるほど切ないシュガーラッシュオンライン
  2. プリンセスたちは何者か

 

 

①心が苦しくなるほど切ないシュガーラッシュオンライン

 

 

プリンセスについて語る前にまずは…

シュガーラッシュオンラインのテーマとストーリーを語っておきたい。

 

プリンセスの見解を早く読みたい人は、飛ばしてね。

 

 

今回のシュガーラッシュ。めちゃくちゃ明るくて楽しい外装だけど、中身はめちゃくちゃ切ないです。残酷なほど。

そしてそれは意外と露骨です。

 

 

本作のテーマはこう言えます

 

「愛と介入。そして喪失について」

 

 

ラルフとヴァネロペは、常に一緒。

毎日一緒。

友人を超えて、恋人をぶっ飛ばして、家族のような関係になっていた。

 

ラルフにとってヴァネロペは「生きる意味」

ヴァネロペにとってラルフは「親友」

だった。

 

この時点で、二人のシーソーゲームは思いっきりラルフに傾いています。

 

 

 

 

ラルフにとっては現状維持こそが人生の幸せだった。だって、生きる意味であるヴァネロペと毎日会える。話せる。遊べる。

 

ヴァネロペに必要とされる自分が、自分だった。ラルフは圧倒的にヴァネロペ軸で生きていたんです。

 

ヴァネロペにとってのラルフは親友。人生は自分のためのもの。自分が楽しむためのもの。ヴァネロペの人生は自分軸でした。だからこそ、「シュガーラッシュ」という自分の所属場所に対する喪失に向き合うことは、ヴァネロペにとって自分の存在を脅かすほどの、バグを起こしかねないほどの大事件でした。

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おそらくラルフなら、自分のゲームがなくなっても、ヴァネロペほど取り乱さなかったと思います。ヴァネロペを失ったわけではないから。

 

 

そうなんです。この映画、序盤は、ヴァネロペはヴァネロペにとって一番重要な「自分」、その、自分の居場所を失う話になっています。

 

ヴァネロペが失う話です。

 

 

そして、中盤は?

 

今度はラルフが生きる意味=ヴァネロペを失う話になるんです。

 

ラルフは、ヴァネロペが存在してくれるから、その為に死力を尽くします。何も惜しまず与えまくり。

存在してくれるというテイクに対しての、ギブandギブギブギブ

 

そして、失うんです。

 

 

そして終盤は、ラルフのバグと、大混乱。

生きる意味を本質的に失いかけた、いや、失った。それ相応の喪失感孤独を浴びせられたラルフは、ウイルスを受け入れたんです。

ウイルスはバグを認識してコピーします。

 

ヴァネロペのシュガーラッシュを失った心的バグや喪失感にもまして、ラルフの喪失感は半端じゃありません。

執着してたからこそ。

 

これは、インターネットの世界を脅かすほどの莫大な力になります。

 

 

そして自己との対話

ラルフにとっての、

人間的価値観の革命が起きます。

 

 

これが終盤。

なんて素晴らしい構造だろう。すごい

 

 

まとめてみよう。

 

序盤:ヴァネロペにとっての喪失 ~シュガーラッシュ~

 

中盤:ラルフにとっての喪失~ヴァネロペ~

 

終盤:ヴァネロペはシュガーラッシュを失い、それを受容し、違う場所を手に入れる。

ラルフはヴァネロペを失い、それを受容し、自分軸の幸せを手に入れる。

 

 

2人とも序盤と中盤に失ったものを取り戻しません。失ったままで、自分を変えるんです。

 

その自分を変えて行く姿、変わることの切なさで、人は感動するのだと思います。

失う切なさとそこで見出す幸せって、あれですね。ラストはラ・ラ・ランドと一緒ですね。

 

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ラ・ラ・ランド(字幕版)
 

 



 

 

最終的にインターネットという電波だけで繋がったラルフとヴァネロペは、ラ・ラ・ランドの2人よりは切なさが抑えられてるけど、

 

だからこそ。シュガーラッシュという二人の関係性はオフラインからオンラインなった。それが現代的だし、歪なんですね。

 

 

 

 

 

Pixarストーリーテリングって凄いね。新海誠監督も唸るわけです。

 

 

以上が、シュガーラッシュオンラインが切ない理由でした。では次が本題

 

 

 

 

②プリンセスたちは何者か

 

プリンセス達は、僕の出した解釈結論から言うと

 

「ディズニーランドにいるプリンセス達がシュガーラッシュオンラインに登場」

というのが最高に納得のいく結論になりました。

ディズニーランドの同人誌的な役割を果たしているんです。

 

言い換えれば、Oh my Disneyはネット上のディズニーランド

 

そう考えると、プリンセス達が楽屋で休憩していても夢があるし、見てる側も納得出来る。

 

多分ディズニーランドっていう存在が万が一なかったら、シュガーラッシュオンラインはプリンセスのイメージを崩すというふうに、今よりもっとバッシングがあったんじゃないかなあ。

 

ディズニーランドありきの、キャラクターコラボレーションのように思います。

 

 

まぁ何にしても、公式で好きなキャラが一堂に会したり、活躍する姿は涙が出るほど感動するんですけどね。声優さんもレジェンド揃いで。

 

 

 

ただ一つだけ、ちょっと悔しかった(?)

のは、先程語ったストーリーやテーマが薄く見えてしまうほど、

キャラクター映画になってしまったということ。

 

 

近年のジョン・ラセター参画後のディズニー作品、ボルトやラプンツェル以降の作品は、

「ストーリーが王様」

という価値観で作品を制作してきました。それはPixarの伝統で全ての人の心を動かす傑作を作る上でのポリシーだったからです。

 

ピクサー流 創造するちから――小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

ピクサー流 創造するちから――小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

 

 



 

 

 

でも今回の映画は、いろんな意見があるだろうけど

キャラクターが王様

 

になってしまったという。

何だかそれだけが、少しだけ………切ないです………個人的にですけど……

 

 

もちろん!ストーリーも、映像も最強で100回見ても飽きないですからね!!!ディスではないですよ。

 

このシュガーラッシュオンラインを機に、キャラだけ知ってて好きだけど、作品は覚えてないみたいな人達がディズニーの名作映画を見返してくれると嬉しいですね。

 

 

 

監督や脚本の素晴らしいアーティスト先行で作られると言うよりも、企画やプロデュース先行で作られてしまったのだなという印象。

だから、シュガーラッシュ1はストーリーが王様の「名作映画」でしたが、

 

 

個人的には、

シュガーラッシュオンラインは

「キャラクター映像エンターテインメント」という印象です。映画と言うよりお祭りでした。それはそれは最高のお祭りでした。

 

こんなお祭り二度とないと思うので絶対に映画館で見た方がいいと思います。

ディズニー版エクスペンダブルズ

 

エクスペンダブルズ (字幕版)
 

 

 

以上が僕の本作への感想でした。

 

 

よし、もう1回見に行こう

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駄文長文、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

良かったら、TwitterFollowよろしくお願いします。

 

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2018年我が家映画祭 TOP10

 

 

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レディース&ジェントルメン&ヲタク

 

 

 

初投稿にして、2018年 我が家映画祭の

映画ランキングTOP10を発表させていただきます。

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最初にお断りしておきます。

「我が家映画祭」とは、私VERSEがその日の気分で観た映画を、物凄い偏見と大好きな深読みによって批評し、ウォッチ報告する企画です。

(多分こんなこと考えて作ったんだろうな~)なんてうるさく言いますし、新作映画ではなくて、何回も見た昔の映画を見返す場合も御座います。

 

2018年は心の中で行っておりましたが、2019年からはこちらのブログに記事としてレポートして行こうと思うので、どうか寛大なお心で読んでいただけますと幸いです。

 

しかし、今回の記事は特別編。

2018年に日本で公開された新作映画に限ったTOP10です。

 

 

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まず最初に

今年観た新作映画は50本!

去年より減ってしまいましたが頑張った!いや、それ程豊作な年だったとも言えるでしょう。

 

それでは始めましょー!

 

2018年我が家映画祭 TOP10

  1. スリー・ビルボード
  2. シェイプオブウォーター
  3. リメンバー・ミー
  4. デッドプール2
  5. ミッション・インポッシブル フォールアウト
  6. ボヘミアン・ラプソディ
  7. カメラを止めるな!
  8. デトロイト
  9. ブラックパンサー
  10. アベンジャーズ インフィニティウォー

 

 

 

1位 スリー・ビルボード

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ミズーリ州の片田舎の町で、何者かに娘を殺された主婦のミルドレッドが、犯人を逮捕できない警察に業を煮やし、解決しない事件への抗議のために町はずれに巨大な3枚の広告看板を設置する。それを快く思わない警察や住民とミルドレッドの間には埋まらない溝が生まれ、いさかいが絶えなくなる。そして事態は思わぬ方向へと転がっていく。

 

 

一見地味に見えるし、予告だけ見るといかついおばさんが出てきて、トラウマ抱えてそうな感じで、、

全然惹かれませんでした。

しかし、見に行ってびっくり。

 

狂おしく、不器用で健気な人間の生き様を描ききっており、頭をトンカチで殴られたような感覚に襲われました。

気がついたら涙が止まらなくなってたんです。

 

観る前のツイートがこちら

 

 

見たあとの様子ツイート

 

 

語彙力の無いツイートばかりしてますね。

観てもらうしかないのですが、この物語に出てくる登場人物達は皆何かを失って生きています。

それは僕らとも同じです。人生何かを選択する度に何かを失って、前に進むんです。何かを忘れて、進む。

 

しかし、彼らにとって失ったものがあまりにも大きい。

その切なさを乗り越えようともがき苦しむ姿に感動します。

 

全員が善人でもないし、まるっきり完璧ではない。不完全な存在で、その中で変わっていく姿が美しいんです。

ドロドロになった蛹達が蝶になって羽ばたいていくような。

 

助演男優賞サム・ロックウェル

彼の演じたディクソンという役が特に作品を素晴らしいものにしていました。

 

ミズリー州の田舎町から出たことの無い警官の彼は、小さな街の小さな正義を信じて、ある意味で最も純真に生きている。

純真だからこそ、その分酷い目に会うのは彼で、変化が大きいのも彼です。

ディクソンについて、ディクソンが聴いているABBAについては下記ブログが素晴らしい解説をしているのでぜひ。

第16回:なぜディクソンはABBAの『チキチータ』を聴いていたのか?『THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI(スリー・ビルボード)』徹底解説 | ウンチク男と深読み女

 

いくらでも書けちゃうのでこのくらいにしておきます。

スリービルボードまだ見てない方は激推ししておきます。傑作です。

 

 

 

2位シェイプ・オブ・ウォーター

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1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、同僚のゼルダオクタヴィア・スペンサー)と共に秘密の実験を目撃する。アマゾンで崇められていたという、人間ではない“彼”の特異な姿に心惹(ひ)かれた彼女は、こっそり“彼”に会いにいくようになる。ところが“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっており……。

 

 

純愛でも、殉愛でもない。この世で最も美しい性愛。この作品を命懸けで作ってくれたギレルモ・デル・トロ監督に感謝します。

 

 こういった、男が醜い系作品はいくつかあります。

美女と野獣」では、最終的に魔法が解けて、美女と美男が結ばれる。

オペラ座の怪人」では怪人が身を引いて、美女と美男が結ばれる。

 

そんなのフツメン、フツウォーメン、ブサ男と…んん、はどんな顔して見りゃあいんだと思うわけです。どっちも大好きだし、感動します。

でも、あぁ、やっぱり美男と美女が結ばれればハッピーエンドだよね。って

 

そんな中でギレルモ・デル・トロはやってくれました。

 

これは、見た目は関係ない。

心と身体の性愛を描ききった物語です。儚いから美しい。

 

僕は、最後の海の世界はあの世だと思ってます。

観てね。

 

 

以下は観た時のツイート。試写会でギレルモ・デル・トロ監督本人のお話を聞くことが出来ました。

 

 


3リメンバー・ミー

 

1年に1度だけ他界した家族と再会できるとされる祝祭をテーマにした、ディズニー/ピクサーによる長編アニメ。死者の国に足を踏み入れた少年が、笑いと感動の冒険を繰り広げる。監督と製作には、『トイ・ストーリー3』のリー・アンクリッチ監督と、製作を担当したダーラ・K・アンダーソンが再び集結。テーマパークのような死者の国の描写、祖先や家族を尊ぶ物語に引き込まれる。

過去の出来事が原因で、家族ともども音楽を禁止されている少年ミゲル。ある日、先祖が家族に会いにくるという死者の日に開催される音楽コンテストに出ることを決める。伝説的ミュージシャンであるデラクルスの霊廟に飾られたギターを手にして出場するが、それを弾いた瞬間にミゲルは死者の国に迷い込んでしまう。元の世界に戻れずに困っていると、ヘクターという謎めいたガイコツが現れ……。

 

 

いや、マジで最高。負けました。お願いだからみて。

純粋に楽しんで、泣いて笑うエンターテイメント作品としては今年ダントツで一位です。

 

なんせこの映画ピクサーが10年がかりで作ってる。

メキシコの文化研究に3年かけたとかなんとか。

アニメーションの制作費というのは殆どが人件費×時間

になります。歩合制の場合もたくさんあるけどピクサーは時間です。それを日本の一般的名作アニメーションの10倍時間と人をかけている。

要するに単純計算でも100倍ゴージャスな映像ってことです。

そこに一人一人のクリエイティブが掛け算されたら、日本のCG作品の100000000倍凄いって言っても過言ではありません。

「凄い」のと、「好き」なのは別のベクトルだから、凄くなくても大好きになることは多くあるけどね。

 

前提が凄いんですピクサーは。

これほど大きな会社になってもなお、一本作ったら経営が傾くレベルの作品制作に挑戦し続けている。賭けている。

かっこいいね。

 

 

リメンバー・ミー

 

洋題 COCO

 

 

 

この優しい映画に出会えて良かったと思います。ストーリーはこれまでのピクサー作品全ての中で、一位二位を争う。

 

 


4位デッドプール2

 

 

デッドプール2 (字幕版)

デッドプール2 (字幕版)

 

 

マーベルコミックスのヒーローの中でもユーモラスなキャラクター・デッドプールに、ライアン・レイノルズがふんしたアクションの第2弾。“マシーン人間”からある少年を守るために立ち上がったデッドプールがチームを結成し、ド派手なバトルを展開する。監督は『アトミック・ブロンド』などのデヴィッド・リーチ。敵を『アベンジャーズ』シリーズにも出演しているジョシュ・ブローリンが演じるほか、モリーナ・バッカリンT・J・ミラー忽那汐里らが出演する。

のんきに過ごすデッドプールライアン・レイノルズ)の前に、未来から来た“マシーン人間”のケーブル(ジョシュ・ブローリン)が現れる。大好きなヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)のためにまっとうな人間になると決めたデッドプールは、ケーブルが狙う不思議な力を持つ少年を守ろうと、特殊な能力があるメンバーだけのスペシャルチーム「Xフォース」を作る。

 

 

最悪の状況でも尚、明るくふざける。振り切って明るい。最悪だからこそかっ飛ばす。

 

そんなかっこいい男の生き様でした。

家族でないものが家族になる。それは

ハウルの動く城にも通じるよね。

 

 

ネタに関しては、映画好きを何回も殴ってくる。

ちょい役で大物ハリウッドスターのオンパレード。

 

そこら辺の失業中のおっさんも仲間に入っちゃう。

あぁ、もうすでにまた観たくなってる。

 

ありがとうデッドプール

1を超えてくれて、予算はアベンジャーズよりめちゃくちゃ少ないけど、大好きだよ。

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5位ミッション・インポッシブル フォールアウト

 

トムクルーズが見れればそれでいい。


6位ボヘミアン・ラプソディ

 

ラスト21分間がライブだったの?5分に感じたよね。

7位カメラを止めるな!

 

物を作る人が元気をもらえる作品

 

みんなで楽しめる。

 


8位デトロイト

シーンが頭から抜けない。


9位ブラックパンサー

 

よくぞやってくれた。今のアメリカで。

 

民族主義が横行する世界を変えようとしてる作品。社会を変える映画。

 

 

10位アベンジャーズ インフィニティウォー

 

3時間くらいあるのに一瞬だった。

もうね、映画としてランキングにしたらこんな順位だけど、別にランキングする必要なくない?アベンジャーズアベンジャーズでしょ!殿堂いり!とも言いたい。

 

だって好きなキャラクターがたくさんでてくるんだもの。

 

 

よくこんなにキャラクターがでて収まりがつくよなって思う。ルッソ兄弟のパワー半端ないって。ほんともう言うといてや、そんなんなら最初から。

 

エピソードオブサノス

でしたね。

 

エンドゲームも楽しみです。いろいろストーリーは予想していますが、裏切られることでしょう!よろしくルッソ兄弟スターウォーズもJJかルッソ兄弟でいいと思うよ!

 

 

 

 

 

 

ここで終わらない今夜の映画祭…

 

 

次は

監督賞

主演男優賞

主演女優賞

特別賞

 

の発表です。

 

 

 

監督賞

ギレルモ・デル・トロ

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ありがとう。デルトロ。

作品賞受賞時に、デルトロはこのようにスピーチしました。

 

「メキシコで子供時代を過ごしてきましたが、E.Tとかウィリアムマナーとかいろんな人を憧れにしていました。一週間前にスピルバーグ監督に『もし受賞したらレガシーの一部なんだ。このフィルムメーカー世界の一員なんだ、誇りに思え』と言われました。本当に誇りに思います。これを捧げたいのは若い人達です。今のあらゆる状況を変えようとしているのは若い人達です。私が子供だった頃メキシコで育っていて、こういったことが起こるとは想像もしていませんでした。しかし、それが実現しました。夢を見ている人達、ファンタジーを使って現実について語りたいと思っている人達に伝えたいです。夢は実現するんです。切り開いて中に入ってきてください」

 

 

痺れました。メキシコ人監督であり、作品は世界の映画賞の中では例のない怪獣のでる作品です。

新たな地平を切り開いたデルトロに感謝しかありません。

 

 

 

主演男優賞

トム・クルーズ

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張りまくってくれてありがとう。身体。

 

 

 

主演女優賞

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シェイプオブウォーターでもパディントン2でも素晴らしい演技でした。

 

 

特別賞

マンディ 地獄のロード・ウォリアー

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最高でした。もっともレイアウトが優れ、ニコラス・ケイジが今までのニコラス・ケイジを超えてきた作品でした。

ありがとう。ニコラス・ケイジ

 

 

 

 

以上です。長文読んでくれてありがとうございました。

 

 

また来週!